生活習慣病管理料 2024年度(令和6年度)診療報酬改定でのポイント

生活習慣病管理料 2024年度(令和6年度)診療報酬改定でのポイント

このコラムでは2024年度(令和6年度)診療報酬改定での短期滞在手術等基本料1の変更点について解説していますのでご参考ください。

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改訂前の生活習慣病患者診察時の一般的な算定項目

生活習慣病管理料はその名の通り、生活習慣病の治療・指導のための評価として平成14年に新設された点数で、主に高血圧、糖尿病、脂質異常症の患者に対して適切な治療・指導を行なった場合の点数となります。

しかしながら生活習慣病管理料を算定するクリニックの数は近年でも2,500〜3,000程度(※1)となっており、全国に6万件超ある内科数と比べても算定回数は少ないと言う事ができます。

これは普段生活習慣病の治療を行う先生であればご存知の事だと思いますが、生活習慣病患者の診療の際に多くのクリニックでは、生活習慣病管理料ではなく特定疾患療養管理料を算定しているためです。

※1 NDBオープンデータ参照: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177182.html

生活習慣病管理料と特定疾患療養管理料の違い(2024年診療報酬改定前の状況)

では生活習慣病管理料と特定疾患療養管理料にはどのような違いがあるのでしょうか?

2024年診療報酬改定前の状況を下記表にて整理しましたのでご覧ください。

特定疾患療養管理料生活習慣病管理料
点数          診療所の場合: 225点          1 脂質異常症を主病とする場合 570点
2 高血圧症を主病とする場合 620点
3 糖尿病を主病とする場合 720点
対象患者糖尿病、高血圧、脂質異常症を含む32疾患糖尿病、高血圧、脂質異常症
算定回数月2回まで月1回のみ
届出が必要な
施設基準
特になし。ただしオンライン診療にて算定の場合は情報通信機器を用いた診療に係る施設基準の届出が必要。特になし。
主な算定要件・初診日と初診から1ヶ月間は算定不可
・管理内容の要点をカルテに記載。
・検査、注射及び診断の費用は、生活習慣病管理料に含まれるものとする・生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、患者に対して療養計画書により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名をもらう。
・療養計画書概ね4月に1回以上は交付

生活習慣病管理料は特定疾患療養管理料に比べて倍以上高い点数であるものの、検査料や診断料などを包括したいわゆるマルメであること、療養計画書の説明や同意、署名などの運用面でのハードルが高いこと、算定が月1回のみであることなどから、生活習慣病治療の際には特定疾患療養管理料を算定するクリニックが多いという現状でした。

そのような状況の中2024年診療報酬改定にて、特定疾患療養管理料の対象疾患から生活習慣病(糖尿病、脂質異常症及び高血圧)が除外されたため、生活習慣病のレセプト算定項目は大きく変化せざるをえない状況となっています。

生活習慣病管理料 2024年度(令和6年度)診療報酬改定での変更点

診療報酬改定後の生活習慣病治療診療報酬がどうなるのかを見ていきたいと思います。

報酬改定後はほとんどのクリニックが新設された「生活習慣病管理料(Ⅱ)」を算定することになると思います。

生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の詳細な施設基準や算定要件は次の章でご覧いただければと思いますが、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)の最も大きな違いは(Ⅰ)は従来通り検査、注射及び診断を包括したマルメの点数であり、(Ⅱ)は検査等は包括しない点数となっています。

具体的な算定項目を改定前後で比較すると下記のようになると考えられます。

2024年診療報酬改定前
(特定疾患療養管理料を算定)
2024年診療報酬改定前
(生活習慣病管理料Ⅱを算定)

再診料 73点     
外来管理加算 52点
特定疾患療養管理料 225点
処方箋料 68点
特定疾患処方管理加算 68点

再診料 75点
生活習慣病管理料Ⅱ 333点
処方箋料 60点
合計 484点合計 468点

上記はオーソドックスなケースですが、処方箋料の減点等の影響もあり、1回あたりの点数は16点減少すると考えられます。

また生活習慣病管理料Ⅱの算定へ変更する際の実際の運用面での大きな違いは、

①算定回数が月1回であること

②療養計画書の説明、同意、患者からの署名が必要になること

の2つが挙げられます。

特に②の療養計画書の説明、同意、患者からの署名についてはあらかじめ書類フォーマットの作成や説明や署名の流れの想定や準備を行なっておく必要があります。

生活習慣病管理料Ⅰ、生活習慣病管理料Ⅱの施設基準、算定要件など

ここでは生活習慣病管理料Ⅰ、生活習慣病管理料Ⅱの算定要件や施設基準などのポイントを抜粋して記載します。

詳細な情報は厚生労働省等の資料をあわせてご確認ください。

生活習慣病管理料Ⅰ

脂質異常症を主病とする場合 610点

高血圧症を主病とする場合 660点 

糖尿病を主病とする場合 760点

生活習慣病管理料Ⅱ 333点

どちらも糖尿病、脂質異常症、高血圧を主病とする外来患者が対象となります。

算定回数についてもどちらも月1回のみとなります。

また、生活習慣病管理料(I)を算定した日の属する月から起算して6月以内の期間においては、生活習慣病管理料(II)は、算定できません。

生活習慣病管理料Ⅰの主な算定要件

・生活習慣病管理料は、栄養、運動、休養、喫煙、飲酒及び服薬等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、患者に対して療養計画書により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名を受けた場合に算定できるものである。

・血液検査結果を療養計画書とは別に手交 している場合又は患者の求めに応じて、電子カルテ情報共有サービスを活用して共有している場合であって、その旨を診療録に記載している場合は、 療養計画書の血液検査項目についての記載を不要とする。

• 当該治療計画に基づく総合的な治療管理は、歯科医師、薬剤師、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましい。

• 「A001」の注8に掲げる医学管理、第2章第1部医学管理等(「B001」の(略)及び同「37」腎臓病透析予防指導管理料を除く。)、第3部検査、第6部注射及び第13部病理診断の費用は全て所定点数に含まれる。

• 患者の求めに応じて、電子カルテ情報共有サービスにおける患者サマリーに、療養計画書での記載事項を入力し、診療録にその記録及び患者の同意を 得た旨を残している場合は、療養計画書の作成及び交付をしているものとみなすものとする。ただし、この場合においても、生活習慣病管理料を算定 するにあたっては、服薬、運動、休養、栄養、喫煙及び飲酒等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、丁寧に説明を行い、患者の同意を得る こととする。

• 学会等の診療ガイドライン等や診療データベース等の診療支援情報を参考にする。

• 患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であることを当該保険医療機関

の見やすい場所に掲示するとともに、患者から求められた場合に適切に対応すること。

• 糖尿病の患者については、患者の状態に応じて、年1回程度眼科の医師の診察を受けるよう指導を行うこと。また、糖尿病の患者について、歯周病の診断と治療のため、歯科受診の推奨を行うこと。

生活習慣病管理料Ⅱの主な算定要件

・別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関(許可病床数が200床未満の病院又は診療所に限る。)において、脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者(入院中の患者を除く。)に対して、当該患者の同意を得て治療計画を策定し、当 該治療計画に基づき、生活習慣に関する総合的な治療管理を行った場合に、月1回に限り算定する。ただし、糖尿病を主病とする 場合にあっては、区分番号C101に掲げる在宅自己注射指導管理料を算定しているときは、算定できない。

・生活習慣病管理を受けている患者に対して行った区分番号A001の注8に掲げる医学管理及び第2章第1部医学管理等(区分番 号B001の9に掲げる外来栄養食事指導料、区分番号B001の11に掲げる集団栄養食事指導料、区分番号B001の20に掲げ る糖尿病合併症管理料、区分番号B001の22に掲げるがん性疼痛緩和指導管理料、区分番号B001の24に掲げる外来緩和ケア 管理料、区分番号B001の27に掲げる糖尿病透析予防指導管理料、区分番号B001の37に掲げる慢性腎臓病透析予防指導管理 料、区分番号B001-3-2に掲げるニコチン依存症管理料、区分番号B001-9に掲げる療養・就労両立支援指導料、B0 05の14に掲げるプログラム医療機器等指導管理料、区分番号B009に掲げる診療情報提供料(I)、区分番号B009-2に 掲げる電子的診療情報評価料、区分番号B010に掲げる診療情報提供料(II)、区分番号B010-2に掲げる診療情報連携強 有料、区分番号B011に掲げる連携強化診療情報提供料及び区分番号B011-3に掲げる薬剤情報提供料を除く。)の費用は、 生活習慣病管理料(II)に含まれるものとする。

・別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、生活習慣病管理 料(II)を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、290点を算定する。

施設基準は生活習慣病管理料Ⅰ、Ⅱで共通となっています。施設基準は特に届出が必要なものはありません。

・生活習慣病管理に関する総合的な治療管理ができる体制を有していること。なお、治療計画に基づく総合的な治療管理は、歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施することが望ましい。 

・患者の状態に応じ、28日以上の長期の投薬を行うこと又はリフィル処方箋を交付することについて、当該対応が可能であることを当該保険医療機関の見やすい場所に掲示すること。

またオンライン診療(情報通信機器を用いて行う場合)で実施する場合や、データ提出加算を算定する場合は別途届出が必要となります。

引用:厚生労働省 令和6年度診療報酬改定説明資料等より引用 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001252076.pdf

本記事のまとめ

今回の診療報酬改定は生活習慣病という特に内科クリニックにとってはメインとも言える疾患の点数について大きな変更が行われました。

今回の生活習慣病の改定の内容を正確に把握し必要な対応を行うことはもちろんですが、医療費削減の流れの中で同領域の見直しが引き続き行われていくことも十分想定されます。そういった意味では常に最新の情報をチェックする必要があります。

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記事の執筆者 MM (医学博士、耳鼻咽喉科専門医、医療法人理事長)

記事の監修者 MM (医学博士、耳鼻咽喉科専門医、医療法人理事長)

耳鼻咽喉科クリニックの理事長として日々の診療、理事長業務を行うかたわら、開業医・開業準備医師限定のオンラインサロン「ドクターズチャート」をよいこはこいよと2019年に設立。現在オンラインサロンは会員数3,300名超。Twitterフォロワー数20,000人、音声配信メディアVoicyパーソナリティ

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