
医師のMMと申します。開業医/準備医師オンラインサロン「ドクターズチャート」の運営をしています。
開業医の生活とは?勤務医との違い
今日は開業医の1日はどんな様子なの、というご質問を受けたのでお答えしたいと思います。
以前にも触れたことがありますが、確かに他の業界の方の1日の生活とかって謎ですよね。
例えば平日の昼からゴルフに行ける人っていったい普段何やってるんだろうと思ったりしますよね。
私も勤務医の時って開業している先生ってどんな生活してるんだろうって思ったりもしてましたから、近い職業でも勤務体系がちがうと全く想像がつかないですよね。
特に開業医って昼の時間に長めに昼休みがあるクリニックも多いですよね。
昼が12時までで、午後の診察が16時からだったりしますから、その時間に何をしているんだろうと思ってる人も多いかもしれません。
ということで、以前私が勤務医だった時の生活と比べて今どんな感じなのか、そして今の状態をどう私自身感じているのかを、お話ししてみたいと思います。
今日は開業の情報というよりは、私の普段感じていること、という話ですので、気楽な感じで聞いてもらえたらと思います。
勤務医時代のスケジュール
まず私が勤務医だった時のタイムスケジュールなんですけど、大体8時くらいまでに病院に行って、まずは入院患者さんの診察ですよね。
その日の指示だしと言ってその日に必要な検査とか治療の指示を病棟の看護師さんに出して、9時に外来に駆け込むわけですね。
外来を終えると昼ごはんを食べてまた病棟に戻って入院患者さんの診察ですね。
手術後の方がおられたりするとガーゼ交換をしたりしますよね。
そこから夕方からのカンファレンスがあるとその発表の用意をしたりして、夕方からカンファレンスで発表して、あとは最後にカルテを書いて9時くらいに終わり、みたいな感じでしたね。
手術日だと、その日は朝から夕方まで手術室にいるんですけど、途中患者さんの入れ替えの時間なんかかあればそのすきにご飯を食べたり入院患者さんの診察をしたり、という感じです。
帰れるのは手術が終わる時間次第だったりしますから、夕方に終わることもあれば日にちが変わる深夜になることもありますね。
そこから手術記録を書いて終了、みたいなかんじですね。
これにさらに当直が月に何回かありますので、その時は病院で寝て翌日朝からまた外来、という感じです。
大体多くの勤務医の先生がこんな感じのスケジュールじゃないですかね。
あと週末は大体午前中は病院に行って入院患者さんの診察をして、あとはフリー、みたいな感じでしたね。
もちろんいつ呼び出しの連絡があるかわかりませんから、携帯電話は離せない、という状況ですし、夜に携帯電話がなると飛び起きる、という習性はついてしまってましたよね。
まあ、常に時間に追われている、という感じの生活でした。
開業後のスケジュールと自由な時間
ここからは開業してからはどうなのか、なんですけど、診療時間は当然診療しているわけですが、それ以外の時間はどうしているのかなんですが、まず昼の時間は書かないといけない書類があったりすると書いたり、銀行に行ってみたり、業者の方のアポイントがあれば面談してみたり、みたいな感じですね。
特に変わったことはないですかねえ。
もちろん何も予定がなければ自由ですから、ぼーっと目的のないネットサーフィンをしたり、本を読んだりこのvoicyで話すことを考えたり、という感じのこともありますね。
診療終わりの夜は、誰かと約束がなければ私の場合は少し残って仕事してそのあと家に帰る、という、これも普通の感じです。
この診療終わりと、昼の時間が私の中で自分の時間で、ここでこのvoicyの収録をしたりしてますね。
一人で院長室でぶつぶつ言ってます。
休みの日なんですけど、これはつい勤務医の時の修正でつい仕事場に来てしまいそうになるんですけど、極力そうしないようにしていますね。
やろうと思うとやらないといけないことって実はいっぱいあるんですけど、できるだけ休みの日には出て来ないようにしています。
週末は子供の相手をしたり、子供の塾の勉強をみたりしていますね。
この辺は開業したからこそできた時間だと思います。
ただ家でできる仕事は週末も家ではやってますね。
昔から私は勤務医の時に土日に病院でなんとなく書き仕事をダラダラするのって嫌いじゃないんですよね。
大学の部室でだべってる感覚ですよね。で同僚が来たら一緒にご飯に行ったりする感じが結構好きでしたよね。
でも今は仕事場に行っても一人ですから、淡々と仕事をしたら終わりですしね。
ただ、家でつい例えばホームページどうするかとか、来週からのコロナのワクチンの予約どうしようかとかそんなことは考えてますよね。
開業医の仕事とプライベートの境界線
ここからが勤務医の時と開業してからの仕事量の違いなんですけど、実際に動いて実務をしている時間は明らかに勤務医の時の方が多かったですよね。
特に平日なんて、目の前のことをこなしているだけで気がついたら夕方、というようなことがよくありましたもんね。
なので基本的に拘束されている時間は勤務医の時の圧勝、という感じです。
ただ、開業医が暇かというと、これはこれでまた話が変わってきますよね。
確かに実働の時間は勤務医より少なくはなるんですけど、正直仕事の時間と自分のプライベートの時間の境があまりない、みたいな感覚なんですよね。
これって何かの経営者ってきっとみんなそんな感じなんじゃないかなあと思いますね。
先ほどの診療時間外に書類を書く話をしましたけど、それをしなくても誰かに怒られる、ということはないですもんね。
その書類を書く時間も自分の書きたい時間に書いたらいいですもんね。
あとはHPをリニューアルしないといけないなあと思ってたとしても、これをしなくても特に怒られはしないですよね。
ただ、その結果が自分に返ってくる、というだけです。
自分の力で楽にもしんどくもできる、ということですよね。
という感じで、ある程度自分の自由に時間を使えるわけではあるんですが、頭の中は、24時間365日、常にどこかで仕事のことを考えている感じもありますね。
ちょっといい例えかどうかわかりませんけど、大学受験の浪人生みたいな感じもありますかね。
浪人生って勉強しなくても誰かに怒られるわけでもないし、でも勉強する時間は自分で決められて、でも勉強しないと自分に返ってくる、という感じですよね。
この感覚ってきっと経営者と言われる人は皆理解してもらえる感覚なんじゃないかなあと思います。
開業医に求められる責任と覚悟
開業当初の患者さんが少なくって、どうやったら患者さんが増えるんだろうなあと思っている時なんて、正直仕事量は少なくて時間的には余裕があると思いますけど、精神的には正直ずっと仕事のことが頭から離れない感覚ですよね。
ここは定額の給料が入ってくる勤務医と違って大変な部分ではありますね。
でさらに今度はある程度軌道に乗ってきたらこの感覚から解放されるのかと言うとそうでもなくて、開業して今10年以上経ってそれなりに患者さんが来てくれている方だとは思うんですけど、今だに毎日の患者数に一喜一憂しますもんね。
この部分は閉院するまでずっとなんだろうと思います。
開業の魅力と注意点
私自身はどっちがいいかというと、今の方が自分自身合っているなあという感じです。
確かに結果がそのまま自分に返ってくる責任というか、大変さはあるんですけど、それより自分の時間を自分でコントロールできる、というのが私にはありがたいんですよね。
ここは開業の大きな魅力ではありますよね。
診療時間を増やすのも、減らすのも自由ですもんね。
そして自分が頑張った分、自分に返ってくるというのがモチベーションになる人には向いている気がします。
ただ、どちらかと言えば与えられたことをこなす方が性に合っている、というタイプの人が開業してしまうと、自分が決めないといけないことが多すぎてそれがストレスになる、ということはあるとは思いますね。
そんな人が開業することなんてあるの、と思われる人もあると思うんですけど、これ案外あると思ってるんですね。
激務の勤務医がしんどくて、飛び出したい、と思った時に開業をそそのかす先輩とか、コンサルタントとかの話を聞いて、言われるがまま飛び込んでしまう、という人は一定数おられますよね。
それで開業を後悔している人も時々いますよね。
ただ、そのあたりのかくごがあれば、自分で自分の時間をコントロールしたい人にとっては、開業は一つの選択肢なんだろうと思いますね。
ということで、今日は開業して勤務医と比べてト時間がどうなったのか、考えることはどう変化したのか、について話してみました。
いかがだったでしょうか。
開業ってまあいろいろな思いも寄らないことが起きるんですよね、それを楽しむチャレンジ精神がある人にとっては、開業はエキサイティングだと思いますね。
あとは人事に向き合う覚悟ですね。

記事の執筆者 MM (医学博士、耳鼻咽喉科専門医、医療法人理事長)
耳鼻咽喉科クリニックの理事長として日々の診療、理事長業務を行うかたわら、開業医・開業準備医師限定のオンラインサロン「ドクターズチャート」をよいこはこいよと2019年に設立。現在オンラインサロンは会員数3,700名超。Twitterフォロワー数20,000人、音声配信メディアVoicyパーソナリティ。