自動精算機のないクリニックは時代遅れ?

自動精算機のないクリニックは時代遅れ?

医師のMMと申します。開業医/準備医師オンラインサロン「ドクターズチャート」の運営をしています。

今日は最近クリニックでも導入が増えてきた「自動精算機、自動釣銭機は必要なの?」という話をしたいと思います。コンビニやスーパーなどではもはやありふれた光景になってきていますね。

当院は2年前くらいから自動釣銭機を入れているんですね。

その時はそれほどクリニックで入れているところが多くなかったんですが、最近はかなり増えてきているようで、開業時に初めから購入を検討している先生も増えてきているようです。

私たちのオンラインサロン経由でこういった自動精算機などを扱っている会社さんとお話しする機会が最近すごく多いです。

そこで今回は、果たして自動精算機、釣銭機はいるのか?について、COI全くなし、利益相反なしに考えていきたいと思います。

具体的には、

・自動精算機と釣銭機の違い

・自動精算機と釣り銭機をいれるメリットとデメリット、

・自動精算機と釣り銭機を導入する際はどこに気をつけないといけないのか?

という順でお話ししてみたいと思います。

自動精算機と釣銭機の違い

まず自動精算機と釣銭機の違いからお話ししたいと思います。

簡単にいうと、患者さんが一人でボタンを押して会計を済ますことができるのが自動精算機、スタッフが今までのレジの代わりにお金を数えることなく患者さんから手渡しでもらったお金を投入することでお釣りが自動的に出るのが自動釣銭機ですね。

患者が触るのか、スタッフが触るのかという大きな違いがあります。

その間とも言うべき、セミセルフレジなるものもあったりと他にも色々ありますが、話がややこしくなるので今回はこの2つのお話をしたいと思います。

クリニックで自動釣銭機を導入するメリット

当院が導入している釣銭機ですが、これを導入している目的は完全にスタッフの業務の負担軽減ということに限りますね。

これ単体で利益が増えるというものではありません。むしろランニングコストがかかりますよね。

大きなメリットはお釣りの渡し間違いがなくなる、ということですね。

患者さんが増えてきて会計の待ち時間が出てくると、スタッフも人間ですからだんだんあせってきますよね。

さらにその会計中に来院した患者さんがきたり、別の人から質問を受けたりと同時に色々な仕事が起きることってよくあると思うんですが、そうするとお釣りを渡し間違えてしまうことって起きやすくなりますね。

診療終わりで疲れている時に最後会計が合わない、という時のスタッフの間に漂う疲労感は相当大きいです。

それがなくなるというメリットが導入目的の一つですね。

もう一つは経営者側の目線ですが、悪いスタッフが会計をポケットに入れてしまうということが起きるクリニックが時々あるんですが、そういったことを防ぐことができますね。

実はこの釣銭機が現在小売店で広がっている大きな理由はこのスタッフによる盗難防止から始まったという経緯があるようですね。

これは逆にスタッフにとっても会計が合わない時に疑われないで済む、というメリットもあるとも思います。

あとは、最近は電子カルテとの連携もかなり進んできていまして、電子カルテから出力される請求金額がすぐ反映されてスタッフが金額を打ち込む必要が全くない、というものもありますね。

さらに家族会計をまとめてできるというのも非常に便利ですね。

ここまでくるとかなり会計時のスタッフのストレスは減ると思います。

クリニックで自動精算機を導入するメリット

次に患者さんが自分でお金をいれて精算する自動精算機についてですね。

これはいうまでもないかもしれませんが、多くの場合コンビニのATMみたいな機械が受付の横にあって、自分でボタンを押して会計する、という機械ですね。

これを入れるメリットは、スタッフの仕事の軽減ですね。

患者さんがこの精算機を皆さんが使えるようになれば、受付スタッフの数を減らすことができるようになって人件費の削減になる可能性がありますね。

小児科クリニックなど若い世代が多いところなら全く問題なく使ってもらえると思います。

さらに、精神科クリニックなどは実は非常に親和性が高いようなんです。

というのは、受付で人と話をしたくないという患者さんも精神科の場合おられると思いますから、そういった人は医師の診察が終わったら一人で会計して帰る、ということができればストレスが減るでしょうね。

開業当初から導入できれば患者さんの混乱もないかもしれませんね。

あとは、キャッシュレス決済との親和性は高いと思います。

クリニック向けのものは今はまだそれほど細かく対応していないことが多いようですが、コンビニなんかは一つの機械でどのキャッシュレス決済も網羅していますもんね。

クリニック用のものはまだここまで至ってはいませんが、今後キャッシュレスがクリニックでももっと進むと考えられますね。

自動精算機と釣銭機導入のデメリット

ここからは自動精算機や釣銭機デメリットを考えてみます。

まず、こういったものを使えない高齢者の場合はスタッフが横について手伝わないといけなくなりますから、1人分のスタッフの仕事が減るかというと難しいようですね。

ただ、会計が混雑している時に自分で会計できる人が会計して帰る、ということができると会計待ちを減らすのに少し役立つ可能性はあります。

それでも全ての会計をこの精算機にする、というのは高齢者が多いクリニックではまだ難しいかもしれませんので、0.5人分ぐらいの働きになれば良い方かもしれません。

またこれは操作の問題なんですが、返金処理や後で保険を変えるなどの作業はまだスムーズでない機種も多いようですね。この辺りはスタッフが使い慣れないといけませんね。

さらに、当院でもたまにお金が詰まってしまうことがあるんですが、そうなると会計に行列ができてしまいます。

こういった時に別のコインケースを置いておく必要はありますね。

すぐにメンテナンスに来てくれる業者かどうかの確認も重要だと思います。

もちろん後はコストの問題ですね。

初期導入コストは100万から300万、月1万くらいの月額がかかりますね。

というわけで、これを導入するかしないかは様々な要素を加味して考えないといけないと思います。

絶対必要というわけではないがあるとかなり便利、といえるところまで来た、ということですね。

将来的にはもっと値段も下がって、導入するのが普通という時代にはなるのでしょうね。

そもそも電子カルテというものも、本来なくても問題なくやってこれたものでしたよね。

それが今や開業時に電子カルテを入れるのは当然、という時代になってきました。

それと同じようにこの会計の自動化というのもなしでもできるけど入れるのが普通、ということには将来的にはなるのでしょうね。

今はその過渡期な気がしますが、私が導入した2年前より相当使いやすくなっていたり、キャッシュレスに対応していたりして、 今後どんどん進んでいくんだと思います。

いかがだったでしょうか。

最近DX化、デジタルトランスフォーメーション化という言葉が流行りですが、まさにこの流れがクリニックにも来ていると感じています。

ただ他の業界よりまだまだ遅かったりコストがかかったりするのが事実ですね。

それでも今後はどんどん加速していくんだろうと思います。

この記事が先生のお役に立つことができれば幸いです。

※この記事はVoicyでの音声配信の内容をもとに、一部再編集してアップしています。

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記事の執筆者 MM (医学博士、耳鼻咽喉科専門医、医療法人理事長)

記事の執筆者 MM (医学博士、耳鼻咽喉科専門医、医療法人理事長)

耳鼻咽喉科クリニックの理事長として日々の診療、理事長業務を行うかたわら、開業医・開業準備医師限定のオンラインサロン「ドクターズチャート」をよいこはこいよと2019年に設立。現在オンラインサロンは会員数3,400名超。Twitterフォロワー数20,000人、音声配信メディアVoicyパーソナリティ

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