クリニック開業前の内覧会の意味

クリニック開業前の内覧会の意味

医師のMMと申します。開業医/準備医師オンラインサロン「ドクターズチャート」の運営をしています。

今日は、クリニック開業前によくされる、内覧会について話してみたいと思います。

私もかつて開業する前に内覧会をやりましたよね。

これに関して、多くのクリニックでされることが多い気がするんですけど、する必要ない、という意見もたまに聞きますよね。

コンサルタントに内覧会はするべきですよ!と言われて渋々やることを考える先生も案外多いんじゃないんですかね。

さて、今日は私が思う内覧会の意味と、実際やってみてよかったのか悪かったのか、具体的な話もしてみたいと思います。

クリニックが内覧会を行う必要性と効果

結論から言うと、内覧会ってやってもやらなくても長い目で見ると正直特に変わらないと思います。

やらなくても流行っている先生もあるし、やっていても立ち上がりがそれほどでもない先生もあるようですね。

数ヶ月も経てばあまり変わりなくなると思います。

ただ立ち上がりには少し影響はある気はします。

近くに住んでいる方で好奇心旺盛な方は、今は受診するつもりないけど見ておこう、という方が来られて、雰囲気がいいと思われたら受診されると、思います。

ただもちろん今はコロナもあるのでそもそもやりにくい、というケースもあるでしょうね。

地域の空気感を感じないといけないとは思います。

内覧会をやることで悪評につながると意味がないですもんね。

でも準備は早めにしないといけないですから、この辺りの匙加減は少し大変かもしれません。

クリニックの内覧会の準備と開催体験談

さて、私自身は内覧会を実際やってみて、どう感じたのか、ということなんですけど、これはやってよかったと思っていますよね。

この時にきてくれた患者さんがいまだにきてくださっている方もあります。

3時間くらい内覧会の開催をしている時間があったんですけど、百人くらいの方がきてくださいました。

私はいわゆる落下傘開業と言われる、自分の勤務病院とは全く別の場所での開業だったので、初めから来てくれる予定の患者さんは全くゼロだったんですよね。

当院はこの内覧会を開業数日前にやったんですけど、なので、この内覧会に人が来てくれた時のホッとした感じと逆にピリッとする感じはありましたね。

スタッフもこの日を境にモチベーションが上がった感じがわかりましたね。

それまではただの準備だけで、例えば電子カルテの使い方とかを勉強していたわけなんですけど、実際に患者さんと出会って、いい意味で緊張感が出た、という感じはしました。

クリニックが内覧会をするメリット

さて、ここからは内覧会のメリットとか、開催するにあたってのポイントなどをお話してみたいと思います。

まず、内覧会の告知、というのは広告を打ちやすい、ということがありますよね。

クリニックって中々ポスティング広告とか新聞折り込みとかは出しにくいんですよね。

しょっちゅうこういった広告を出していると、あそこは流行っていないと思われてしまったりしますしね。

あとは医師会の先生方からいい顔をされない、という話も時々聞きます。

でも開業の時に1、2回のポスティングは特にそういったリスクやデメリットが少ないですから、内覧会やります、という告知は大々的にやってもいいですよね。

今ならネット広告も面白いかもしれません。

facebook広告とか、インスタの広告とかを打ってみるのも面白いかもですね。

まず、この内覧会の来院人数で、初日の患者数の予想がある程度立てられる、ということですね。

これはエビデンスのない私調べなんですけど、大体内覧会に来られた数の最低1/3くらいの人数は初日に来られると考えていいと思います。

当院は初日に30人ちょっとという来院人数でしたから、大体この法則通りでしたね。

初日の人数が予想できる、というのはすごく重要で、初日って全員が初診患者さんですから、当然一人一人診察に時間がかかりますよね。

さらにもちろんスタッフも慣れていないわけですから、相当混乱することが予想されますよね。

なので大体の人数がわかっていれば心の準備ができる、ということはあると思います。

実際内覧会に大人数が来たのに初日は全く来られないとか、内覧会は全くだったの初日はてんやわんや、ということはあまり聞かなくて、

内覧会と初日は大体リンクしていると思います。

内覧会の開催時の注意点

あとは内覧会をどういったメンバーでやるのか、ということは意外と重要だと思います。

もちろん院長とスタッフがクリニック内のあちこちに配置して、来られた人を案内する必要があるわけなんですが、それ以外に開業を手伝ったコンサルタントとか、卸の担当者とかが受付してくれたりすることも多いと思います。

その時に間違ってもスーツで参加してもらわないほうがいいですよね。

私服とか、ポロシャツ、みたいな格好がやはりいいと思います。

そして道路に出て入るかどうか躊躇している人を誘導してもらったりしましたね。

この時に一度患者さんに院内に足を運んでもらっておくのと、おかないのとで、受診のハードルは大きく変わると思いますよね。

クリニックの内覧会で活用するノベルティとアイデア

あとは、ノベルティは頭を使って考えるのがいいと思いました。

よくあるのはお菓子とか、ティッシュとか、色々あると思うんですけど、私がやってよかったのは、強力なマグネットですね。

冷蔵庫に貼るタイプの、でも紙をいっぱい挟んでも落ちないレベルのマグネットです。

こういうのって、磁石が強いとずっと貼ってみてもらえたりしますよね。

数年経ってもこのマグネットを愛用している、という患者さんもいましたね。

まあなんでもいいんですけど、長くリビングとかに置いておきたくなるようなノベルティがいいと思いました。

あとは、結局内覧会って院長がやりたいようにやるのがいいということですよね。

時々メロンパン屋さんを呼んでみたり、なんなら少し歌手を呼んでみたりいろいろ趣向を凝らしている先生もありますよね。

そういったことも院長がやりたければするといいと思うんですけど、結局は健康相談会みたいになってしまう、ということが多いですよね。

当院の場合はここで無料とばかりに完全に診察のようなことを求めてくる人もいましたよね。

ここをうまく切り上げてきちんと診察に来てもらうように促す技術はいりますね。

クリニックの内覧会についてまとめ

まとめますと、内覧会はご時世的にも大丈夫なら開催するとスタッフにとってもモチベーションになりますし、初日を迎える前の心の準備というや、予行演習になりますから、やれる余裕があればやるといいんじゃないかなあと私は考えています。

いかがだったでしょうか。

内覧会だけじゃなくて、クリニックの開業って今までの人生では考えたこともないことを色々考えないといけなくて、でもどう手をつけたらいいかわからない、ということってあるんですよね。

まあでもそういった今までしたことを一つ一つ楽しんでやっていける人は開業には向いている気がしますよね。

学園祭でワクワクするタイプの先生は向いているかもしれませんね。

記事の執筆者 MM (医学博士、耳鼻咽喉科専門医、医療法人理事長)

記事の執筆者 MM (医学博士、耳鼻咽喉科専門医、医療法人理事長)

耳鼻咽喉科クリニックの理事長として日々の診療、理事長業務を行うかたわら、開業医・開業準備医師限定のオンラインサロン「ドクターズチャート」をよいこはこいよと2019年に設立。現在オンラインサロンは会員数3,700名超。Twitterフォロワー数20,000人、音声配信メディアVoicyパーソナリティ

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