
医師のMMと申します。開業医/準備医師オンラインサロン「ドクターズチャート」の運営をしています。
クリニック開業を考えたら最初にすべきこと
今日は開業を考えたら何から始めるべきか、という話をしたいと思います。
今日は明らかにクリニック開業を考え始めた先生対象の初心者向けの配信ですし、今まで話してきたことのまとめみたいな話ですので、既に開業されてる先生方には必要ない話かもしれませんのでご理解ください。
今回このテーマにしようと思ったのは、開業をしたいと思ったら何から始めたほうがいいんですか?という質問を最近続けて受けることがあったからなんですね。
以前から時々いただくことも多い質問ですよね。
確かに開業の仕方なんて勤務医として病院で勤めていたとしても誰も教えてくれませんから、何から手をつけたらいいかわからない人は多いと思います。
そもそも病院とか医局にしたら開業されたら困ることのほうが多いですもんね。
なので正直開業ってどちらかと言えば多くの場合堂々と準備しなかったりしますから、情報が得られにくい、ということがあるんですよね。
ということで、今日は私自身が開業を考えた後どう進めていったか、そしてこれからの時代はどう準備していくのがいいのか、について話していきたいと思います。
私のクリニック開業の経験談
まず私の開業の時の話をしていきたいんですけど、十数年まえの話になるんですけど、私は開業を決意してから9ヶ月後には実は開業してるんですね。
まあまあ早いほうだと思います。
それまでは正直いつかは開業はしたいなあくらいで全然現実味がなかったんですけど、仲のいい先輩が開業したのもきっかけで、開業を決意したんですね。
もちろん何の開業の知識もない状況でした。
まずしたことは、二人の医局の先輩の先生に相談したんですね。
その二人とも同じ開業コンサルタントをつけて開業されてまして、その会社を紹介されました。
一番よくあるパターンの医薬品卸会社のコンサル部門のコンサルタントの方ですね。
今でこそコンサルをつけずに開業する先生も時々おられますけど、当時は本当に情報がなかったですもんね。
開業するとなったらどこかのコンサルタント会社と契約する、というのが当然だったと思います。
その医薬品卸会社のコンサルタントの方から開業に際して決めないといけないことのリストなどを教えてもらいまして、そこから物件探しが始まった、という感じですね。
何ということのない普通の感じのスタートだと思います。
この一社のコンサルタント会社にだけ声をかけたわけではなくて、後2つの会社にも声をかけました。
一つはまた別の医薬品卸会社系のコンサル、もう一つはクリニック開業を専業としているコンサルタント会社に声をかけました。
その3つのルートと、自分自身で不動産屋に声をかけたりするルートの4つのルートで物件探しが始まったんですね。
そもそもこのクリニック開業の慣わしというか、しきたりみたいなことがあるんですけど、色々な会社が出してくる物件の中で開業する物件を決定すると、その物件を出してきた会社とその後の開業支援の契約を結ぶ、というのが通例なんですね。
色々出されてきた中で、一番初めに声をかけた先輩の紹介の医薬品卸会社の出してきた物件に私は決定しましたので、その後の開業準備の契約をその会社と結ぶことになりました。
物件さえ決まると、あとはやるべきことって自動的に決まってくるんですね。
そのスケジューリングをそのコンサルの方がしてくれてましたから、今は内装設計する時期だとか、今は機械を選ぶ時だとか、スケジュールにそって決めていく、みたいな感じでした。
多分当時は多くの先生がほぼそのコンサルタントが紹介してくる会社と契約したり機械の見積もりを出したり、という感じになると思うんですけど、私は税理士さんは別の知り合いの先生に紹介してもらったり、内装会社も父の元々の知り合い経由で決めたりしましたね。
とまあ、私の開業準備はコンサルタントに声をかけるところから始まった、という感じです。
あとは準備としては、開業に関する本は何冊か読みましたね。
ただ今ほど対して種類がなかったですから、数冊読めば大体同じことが書いてある、という感じでしたね。
他に読書としては、クリニック開業の本というよりは、はやるラーメン屋を作るには、みたいな本も何冊か読みましたね。
中小企業とか個人事業主向けのマーケティングの本みたいなものは結構読んだかもしれません。
もちろん、ネットで検索したりも当然したんですけど、その時はほぼ1社か2社のコンサル会社が自分の会社の宣伝として載せてる情報が見つかるくらいだったと思います。
当時はもちろんSNSなんてないですよね。
というかスマホも当時はまだなくて、ガラケーのiモードページを作るかどうか、みたいな検討をしていましたね。
ちょっと今では考えられないですね。
話が少しそれましたけど、そんな感じで、私の場合は、開業を考えたら、まず先輩の先生に相談して、コンサルタントを紹介してもらって、
自分でできる範囲の読書で勉強した、というくらいの準備で開業した感じですね。
今考えると薄い準備だったなあという気がしますね。
ただ飛び込む勇気だけはあった、という感じでした。
まあでも当時開業をかんがえている先生って大体そんなもんだったんじゃないですかね。
クリニック開業準備の6つのポイント
もし私が今開業するならどうするか、を考えていきたいんですけど、もちろん今は私自身色々開業の知識もありますから、今の知識がある前提ではなくて、勤務医として働いていて開業を志した時どうするか、ということなんですが、ポイントを6つ、上げていきたいと思います。
(1) 先輩医師への相談
まず一つ目は私がしたようにやはりまずはリアルの先輩医師に相談することは必須だと思います。
コンサルタントに相談することももちろん悪くないですけど、やはり掛け値なく相談に乗ってくれるのは同業の先輩ですね。
できれば自分のなりたい姿になっている先輩医師に相談するのがいいですね。
さらにできれば開業してだいぶ経つベテランの先生と、開業して数年以内の先生の両方の方に話を聞くべきですね。
私みたいに開業してだいぶ経つと開業時のことって正直色々忘れてきてますもんね。時代も変わってきてますしね。
こんな感じでまずは実際開業しているリアルの先生に相談する、というのは絶対するべきだと思います。
(2) 信頼できるコンサルタントの活用
二つ目はコンサルタントに相談するのを私はお勧めしますね。
このコンサルタントという職業については色々お話できることもあって、ここを触れ出すと長くなるので割愛したいんですけど、信頼できるコンサルタントと出会えると相当開業がスムーズに進むと思っています。
コンサルタントなしで開業できるのか、ということで言うと、それ自体は可能だとは思います。
実際最近は情報も以前より集めやすくなってきてますから、コンサルなし開業は、私たちのサロンの先生方にも何人もおられますね。
素晴らしいと思います。
ただ、多くの先生は勤務医の仕事しながらの開業準備、ということになりますから、コンサルなしでやり切るのは相当パワーがいると思うんですよね。
なのである程度要領よく開業準備をしようと思ったらコンサルタントの力を借りる、というのは悪くないとは思いますね。
先輩には聞きにくい細かいことを色々聞きやすかったりしますしね。
ただ、いいコンサルタントかどうかの見極めは非常に重要ですから、その部分は先輩の先生なんかを頼るのがいいかもしれませんね。
(3) 経営者としての準備
3つ目の開業準備のポイントとしては、経営者になるという覚悟を持つ準備をしておく、というのはいいでしょうね。
具体的には経営者の仕事というのは何があるのか、雇われる立場から雇う立場になるのはどういう変化が起きるのか。
これは色々な本が出てると思いますし、検索したり今ならyoutubeでも色々話している人もいるでしょうから、経営者の考えというのは知っておくと、開業してからぶつかる壁に準備ができると思います。
実際私自身は正直そういう準備は全くしていませんでしたから、開業して出入りの業者さんに「ご開業して経営者になられて、、」みたいなことを言われた時に、はじめて、あっ私は経営者になるのか、とその時に自覚した、くらい何もわかってなかったですよね。
そこは反省点でしたから、ぜひ開業するということは経営者になることだ、ということを学んでおくといいと思います。
(4) 立地とマーケティングの知識
そして4つ目のポイントは、この経営者の仕事を学ぶ、ということに繋がるんですけど、その中でマーケティングについて勉強しておくといいと思います。
そしてこのマーケティングの中でまず知識を得ておくべきなのは立地ですね。
これも何度もここで話してるんですけど、開業の成功のかなりの部分を占めるのは結局立地なんですよね。
私が開業した時以上にかなりシビアな戦いになっているエリアは明らかに増えてきてますよね。
なのに実際は競合が多いエリアに飛び込む先生はほんと多いですよね。
それでもある程度食べていけるくらいにはなることもあるとは思うんですけど、やはり患者さんを集めるのに苦労する場所での開業はこれはずっとしんどいですよね。
結局それって知識不足からくる、ということもあると思いますね。
そこの場所にこだわってあえて戦いを挑むつもりでそこに飛び込んでいるんならいいんでしょうけど、多くの場合は思ってたようなことじゃなかった、ということもあると思うんですよね。
なので開業前からどんな場所のクリニックならどれくらい患者さんが来るものなのかとか、色々情報を集めて勉強しておくのがいいですよね。
(5) クリニック経営に詳しい税理士との連携
5つ目のポイント、早めにクリニック経営に詳しい税理士さんと繋がって色々情報を聞くことも大事ですよね。
さっきのどれくらいの患者さんがどのクリニックでは来てるのか、というのを一番生の情報で知ってるのは税理士さん何ですよね。
その辺の肌感覚はクリニック専門の税理士さんはよく知っていますよね。
あとは色々な開業準備の交渉のこちら側の味方になってくれたりすることもあると思います。融資の相談に乗れたりしますしね。
なので早めに税理士さんとはつながっておくといいと思います。
(6) SNSを活用した情報収集
6つ目のポイントは、SNSでの情報収集ですね。
最近はまさに開業準備中からtwitterとかで情報を発信してくれてる先生もかなり増えてきましたから、実際どんな感じで進めていかれるかをリアルタイムで知るにはこのSNSは非常に有用だと思いますね。
ただ時々気をつけないといけないのはちょっと尖りすぎてる先生もいますから、全てを間に受けるとダメだと思いますので、その辺の見極めは重要ですね。
あとは手前味噌ですけど、私たちのサロンのドクターズチャートは間違いなくかけねなしの本音の開業情報が飛び交ってまして、皆さん真摯に質問に答えてくださってますから、入会しておかないと実際かなり損するレベルになってきてますね。
クリニック開業を決意するために必要な「勇気」
ということで、今日は開業を考えたら何から始めるべきか、についてお話してみました。
いかがだったでしょうか?
他にも色々話したいこともありますけど、細かい話をしだすとキリがなくなってきますね。
ただ今は本当に情報を集めやすくなりましたから、ネットで本気で情報収集すればかなり得られることは多いですよね。
そもそも私は開業がベストとは思ってなくて、今は医師も色々な働き方がありますから、そもそも自分のライフスタイルに開業があってるのか、から考えていくべきだとおもってはいますね。
そして決意したならあとは飛び込む勇気、ですね。結局何が一番大事かというと、この勇気という部分かもしれませんね。

記事の執筆者 MM (医学博士、耳鼻咽喉科専門医、医療法人理事長)
耳鼻咽喉科クリニックの理事長として日々の診療、理事長業務を行うかたわら、開業医・開業準備医師限定のオンラインサロン「ドクターズチャート」をよいこはこいよと2019年に設立。現在オンラインサロンは会員数3,700名超。Twitterフォロワー数20,000人、音声配信メディアVoicyパーソナリティ。