新設項目の「在宅医療充実体制加算」とは?(令和8年度診療報酬改定)

新設項目の「在宅医療充実体制加算」とは?(令和8年度診療報酬改定)

本コラムでは、2026年3月5日に公開された告示資料をもとに、「在宅医療充実体制加算」についての解説をしています。閲覧時点での最新情報も併せてご確認ください。

令和8年度診療報酬改定説明資料等について: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html

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令和8年度診療報酬改定で新設される「在宅医療充実体制加算」とは

令和8年度診療報酬改定では、在宅医療において重症患者や看取りを含めた診療を積極的に担う医療機関を評価する仕組みとして、「在宅医療充実体制加算」が見直されました。

これまで「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」として評価されてきた制度について、名称を「在宅医療充実体制加算」に変更するとともに、在宅医療全体における役割をより明確にした形で要件と評価が整理されています。

今回の改定では、緩和ケアに限らず、重症患者への対応、緊急往診、看取り、地域連携などを含めた在宅医療の総合的な体制を評価する制度として位置づけられている点が特徴です。

在宅医療充実体制加算の位置づけ

在宅医療充実体制加算は、在宅時医学総合管理料や施設入居時等医学総合管理料など、在宅医療に関する複数の評価項目に対して加算される仕組みとして設定されています。

また、緊急往診やターミナルケアなど、在宅医療の中でも特に重要な場面における評価にも加算が設定されており、地域の重症在宅患者に対して質の高い医療を提供する体制を有する医療機関を包括的に評価する制度と整理できます。

従来の在宅緩和ケア中心の評価から、在宅医療全体の提供体制を評価する枠組みに拡張された点が、今回の見直しの大きなポイントといえます。

在宅医療充実体制加算の概要・算定要件(厚生労働省資料より抜粋)

※以下は、令和8年度診療報酬改定に関する厚生労働省資料に基づき、原文を抜粋・要約しています。

在宅緩和ケア充実診療所・病院加算について、在宅医療において積極的役割を担う医療機関を更に評価する観点から、在宅医療充実体制加算に名称を変更した上で、要件及び評価を見直す。

【在宅時医学総合管理料】
在宅医療充実体制加算
(1) 単一建物診療患者が1人の場合 800点
(2) 単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合 400点
(3) 単一建物診療患者が10人以上19人以下の場合 200点
(4) 単一建物診療患者が20人以上49人以下の場合 170点
(5) (1)から(4)まで以外の場合 150点

【施設入居時等医学総合管理料】
在宅医療充実体制加算
(1) 単一建物診療患者が1人の場合 600点
(2) 単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合 300点
(3) 単一建物診療患者が10人以上19人以下の場合 150点
(4) 単一建物診療患者が20人以上49人以下の場合 126点
(5) (1)から(4)まで以外の場合 112点

[施設基準]
地域の重症な在宅患者に対し質の高い診療を行うにつき十分な体制が整備され、相当の実績を有していること。

[具体的な要件の概要]

充実した人員等の体制

  • 在宅医療を担当する常勤換算医師数が3名以上かつ常勤医師数が2名以上配置していること。
  • 機能強化型の在支診・病であって、自院単独で24時間連絡体制及び往診体制を確保していること。
  • 過去1年間で、緊急往診の実績を30件以上かつ看取りの実績を30件以上有すること。

看取り・緩和ケア等の提供機能

  • 緩和ケア研修を修了している常勤の医師が、在宅医療を担当していること。
  • 末期の悪性腫瘍等の患者自らが注射によりオピオイド系鎮痛薬の注入を行う鎮痛療法を実施した実績を、過去1年間に2件以上有していること、又は過去に5件以上実施した経験のある常勤の医師が配置されており、オピオイド系鎮痛薬を投与した実績を過去1年間に10件以上有していること。
  • 緩和ケア病棟又は在宅での1年間の看取り実績が10件以上の保険医療機関において、3か月以上の勤務歴がある常勤の医師が在宅医療を担当していること。
  • 看取り実績及び十分な緩和ケアが受けられる旨の掲示等、患者への必要な情報提供を行うこと。
  • 当該保険医療機関が在宅医療を提供する患者のうち、「別表第8の2」に該当する重症度の高い患者が2割以上であること。

重症患者の診療体制

  • 訪問診療を担当する時間について常勤換算した医師数1人当たりの、訪問診療を実施する患者の実人数が100人以下であること。

ICTを活用した多職種連携

  • 在宅医療情報連携加算に係る届出を行っていること。

医師等の教育実績

過去2年度以内に、以下のいずれかの実績があること。(在宅医療に携わるものに限る。)

  • 大学の医学部医学科の単位認定を目的とした地域医療実習生の受入
  • 協力型臨床研修病院又は臨床研修協力施設として、地域医療の研修を目的とした研修医の受入
  • 内科領域、総合診療領域又は小児科領域の専門研修基幹施設又は専門研修連携施設として、専門研修を目的とした専攻医の受入
  • 地域枠等の卒業後に都道府県内で一定期間医師として就業する契約を当該都道府県と締結している医師又はこれに準ずる医師(研修医を含む。)の受入

在宅データの提出

  • 在宅データ提出加算に係る届出を行っていることが望ましいこと

本加算は、在宅医療において重症患者を含めた継続的な診療体制を評価する制度として見直されたものであり、制度の背景と要件を整理したうえで、各医療機関の在宅医療体制に応じた対応を検討していくことが求められます。

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