ホームページは集患の中心となる媒体
クリニックを開業する際に、ホームページは必要不可欠なツールです。診療科目に関わらず、インターネットで検索する患者さんが増えている現代では、ホームページは集患の中心となる媒体と言えます。ホームページがあれば、クリニックの情報や特徴、診療内容、アクセスや予約方法などを効果的に伝えることができます。また、ホームページはクリニックのイメージや信頼感を高める役割も果たします。そのため、ホームページは単なる情報発信の場ではなく、クリニックのブランディングや差別化にもつながります。
ホームページは制作会社に外注すべきか?
では、クリニックのホームページはどうやって作ればいいのでしょうか?ホームページの作成には、外注せずに先生自身で作成する方法と、制作会社に外注する方法があります。それぞれにメリットとデメリットがありますので、比較してみましょう。
制作会社に外注するメリット・デメリット
制作会社に外注する場合の最大のメリットは、制作に対する時間的な手間が大幅に削減されることです。ホームページの作成には、デザインやコーディング、コンテンツの作成など、多くの工程が必要です。これらを自分で行うとなると、かなりの時間と労力がかかります。しかし、制作会社に任せれば、専門的な知識や技術を持ったプロによって、効率的にホームページが作られます。また、制作会社にはデザイナーやライターなどが在籍している場合が多いので、デザイン性や文章力も高めることができます。さらに、クリニック専門の制作会社は医療業界の傾向やニーズを把握している場合もありますので、専門的なアドバイスを受けながらホームページを作成できます。
制作会社に外注する場合のデメリットは、自前で作成する場合に比べ費用が高くなることです。制作会社によって費用は異なりますが、相場として初期費用は安い会社で10〜20万円、高い会社では100万円以上かかる場合もあります。また、制作後も月1〜2万円程度の管理費がかかる制作会社が多いです。さらに、文章のライティングや写真の撮影などは別料金の場合もありますので、どこからがオプションになるかは確認が必要です。
自前で作成するメリット・デメリット
自前で作成する場合のメリットは、サーバーやドメイン代、ワードプレス使用料など最低限の費用で作成が可能なことです。
費用もサーバーは月額数百円から、ドメインは年額数百円から、ワードプレスは無料でも利用できます。また、自前で作成することで、ホームページの内容やデザインを自分の好みに合わせることができます。さらに、作成を通して院長自身のWeb集患に対するリテラシーが上がるというメリットもあります。
自前で作成する場合のデメリットは、基本的な部分から勉強しないといけないので制作に非常に時間が取られることです。ホームページを作成するには、サーバーやドメインの設定や管理、ワードプレスの操作やカスタマイズ、デザインやコンテンツの作成や更新など、多くの知識や技術が必要です。これらを一から学ぶのは、かなりの時間と労力がかかります。また、自前で作成するとデザイン性が落ちる場合が多いです。ワードプレスでは、テンプレートと呼ばれる既製のデザインを利用できますが、それだけでは他のホームページと差別化できません。オリジナルのデザインを作るには、コーディングや画像編集などのスキルが必要です。
クリニックホームページ制作会社選定のチェックポイント
次に制作会社を選ぶ際のチェックポイントを紹介します。ホームページの制作会社は数多くありますが、以下の7つのポイントはしっかりと確認しておきましょう。
⒈ クリニックの制作実績はあるか?
制作会社を選ぶ際に最も重要なポイントは、クリニックの制作実績があるかどうかです。クリニックのホームページは、医療広告ガイドラインや医療業界の傾向など、特有の知識やノウハウが必要です。そのため、クリニックの制作実績が全くない制作会社は避ける方が無難です。制作会社のホームページにて実績の有無が確認できる場合も多いです。実績がある場合は、そのホームページのデザインや内容、SEO状況などをチェックしてみましょう。
⒉ 費用はどれくらいか?
制作会社に支払う費用は、主に制作費用と月額費用があります。制作費用はホームページを作るために一度だけかかる費用で、月額費用はホームページを運用するために毎月かかる費用です。制作費用は、ホームページの規模や機能、デザインやコンテンツの量などによって変わりますが、相場としては数十万円から高い場合で100万円程度です。月額費用は、サーバーやドメインの管理費、更新や保守のサポート費などが含まれる場合とそうでない場合があり、相場としては1万円から3万円程度です。予算に合わせて、自分にとって最適なプランを選びましょう。
⒊ どのようなシステムで制作するか?
制作形態とは、ホームページを作成する方法のことです。制作形態は大きく分けると主にワードプレスを使用する場合とHTMLによる制作に分かれます。ワードプレスとは、ホームページを簡単に作成・更新できるソフトウェアのことで、HTMLとは、ホームページの構造やデザインを決める言語のことです。ワードプレスを使用する場合のメリットは、頻繁に院内で更新を行いたい場合に便利であることです。ワードプレスでは、テンプレートやプラグインと呼ばれる既製の機能を利用できるので、自分で簡単にホームページの内容やデザインを変更できます。デメリットは、テンプレートやプラグインに依存すると、他のホームページと差別化できないことや、セキュリティや互換性の問題が発生する可能性があることです。
HTMLによる制作の場合のメリットは、デザインを自由にカスタマイズできることです。HTMLでは、コーディングと呼ばれる手法で、オリジナルのデザインを作成できます。デメリットは、更新や変更に専門的な知識や技術が必要なことです。そのため更新の際には基本的には制作会社に依頼をすることとなります。
⒋ SEO対策に強い制作会社か?
SEO対策とは、検索エンジン(GoogleやYahoo! など)で上位に表示されるようにするための対策のことです。検索エンジンは、ユーザーが入力したキーワードに関連するホームページをランキング形式で表示しますが、そのランキングは検索エンジンが独自に決めた基準(アルゴリズム)によって決まります。SEO対策とは、その基準に沿ってホームページの内容や構造を最適化することで、ランキングを上げることを目指すものです。SEO対策に強い制作会社は、検索エンジンの基準や傾向を把握しており、キーワード選定やコンテンツ作成、サイト構造やコーディングなどにおいて、SEOに有利な方法でホームページを作成します。また、検索エンジンの基準や傾向は常に変化しているので、制作後も定期的に分析や改善を行います。
SEO対策に強いかを確認するおすすめの方法は、実際に制作したホームページが「地名×診療科名」で上位表示(保険診療であれば理想は3位以内、最低でも1ページ目)されているかをチェックすることです。
⒌ 一定のデザイン力はあるか?
デザインはホームページの見た目や印象を決める重要な要素です。デザインが良ければ、クリニックのイメージや信頼感を高めることができます。また、デザインはユーザーの行動にも影響します。デザインが悪ければ、ユーザーはホームページから離脱してしまう可能性が高くなります。デザイン力がある制作会社は、クリニックの特徴やターゲットに合わせたデザインを提案してくれます。また、デザインは見た目だけでなく、ユーザビリティやアクセシビリティといった機能面も考慮してくれます。デザイン力があるかを確認するおすすめの方法は、制作実績のホームページを見て、デザインの質やバリエーションをチェックすることです。また、自分がイメージするデザインに近いホームページを見つけて、制作会社に共有するのも良いでしょう。
⒍ ドメインの所有権は自院になっているか?
ドメインとは、ホームページのアドレスのことです。ドメインには所有権があり、所有者はドメインを管理することができます。ドメインの所有権が制作会社か自院のどちらにあるのかは非常に重要なので、必ず契約前に確認しておきたいポイントです。稀にドメインの所有権がホームページ会社になっている場合があります。この場合、ホームページ会社を変更する必要がある際にドメインを再度新規取得する必要がある場合や所有権を移管するための費用が発生することもあります。新規取得となると、一からSEO対策をしなくてはならないことにもなります。そのため、ドメインの所有権が自院になるかは必ずチェックしましょう。
⒎ 担当者は信頼できるか?
ホームページ制作会社を選ぶ際に最後に重要なポイントは、担当者が信頼できるかどうかです。担当者が信頼できるかどうかは、ホームページ制作の成功に大きく影響します。信頼できる担当者は、自分の要望やニーズをしっかりと聞いてくれます。また、適切なアドバイスや提案をしてくれます。さらに、レスポンスが早くて対応が誠実です。
制作会社とのトラブルで多いのは、レスポンスが遅いということや、意思疎通がうまくいかないという担当者に起因するものです。
また契約後に営業担当から制作担当へと担当が変更になることも多いですのでその点にも注意してください。
まとめ
クリニックのホームページ制作会社の選び方について、7つのチェックポイントを紹介しました。ホームページはクリニックの集患において非常に重要な媒体です。そのため、外注する場合は自分にとって最適な制作会社を見つけることが必要です。上記でご紹介したポイントも意識して、ご自身に合ったホームページ制作会社を選んでいただければ幸いです。